派閥はポジティブな感情よりも、ネガティブな感情から生まれます。
ある日の出来事
ある日のこと。
転職したばかりの勤務先で、同じ部署内の若い女性からメールが届きました。
「明日、お昼一緒に行きませんか?」」
別に危険なお誘いでも何でもありません。
ほかの女性社員と三人でお昼に行って、その二人の話を聞いて欲しいというのです。
ちなみに立ち位置としては管理人は一応中間管理職ですが、その女性たちの上司ではなく、いわば斜めの関係。
しかも管理人はまだ転職して間もない上に会社規模も大きいためいきなりマネジメントは任せてもらえず、タスクをこなしているだけの環境です。
そのため、(内容にもよりますが)話を聞いても何かを解決してあげられる可能性はあまり高くありません。
とは言うものの一定のタスクについてはその女性たちと共同で作業をしていることもあり、あるいは何かを解決できるかもしれない。
管理人はいいですよと返事をし、そして翌日は実際に三人で食事に出たわけです。
不満が人を近づける
そこで話されたのは、同じ部署にいる別の男性への不満でした。
その男性は役職者ではありませんが、ある業務のリーダー的な立場にいるため部署内のメンバーに対して特定の依頼をすることが多いのです。
その依頼の仕方が一方的あると彼女たちは言うのです。
曰く、退社時間ギリギリに膨大な量のタスクを振ってくる、何か変更が点あっても共有してくれない、自分だけが頑張っていると口にする、彼女たちが元々持っている作業量も内容も把握していないのに面倒な雑務だけパスしてくる…。
不満は延々と続きます。
実際に問題があると思われること(かつ管理人も疑問を感じていたこと)、その中で解決できるかもしれないこともあったため、何とか動いてみるということを伝えて我々は店を後にしました。
帰り道では今まで話したことがなかったようなプライベートな話をしながら、多少はスッキリした気持ちで会社に戻ったわけです。
別の日のことですが、あるミーティングに参加した際のこと。
五人ほどの管理職でミーティングをするのですが、その日はいつも面倒なことを言うある部署の課長が不在でした。
すると参加していた一人の役員が「今日は気が楽だ」とボソッと口にし、その場にいた人たちが苦笑しながら頷いたわけです。
派閥は不満から生まれる
二つの例を見ても分かるように、人は不満によって結束します。
それがいいことかと言われれば否定せざるを得ませんが、かと言ってその事実を否定するわけにもいきません。
人は不満によって結束し、そこから派閥が生まれるのです。
別に誰か特定の個人に対する不満だけではなくても、冷遇されている人たちや地方支社にいる人たちが不満を持ち、そこから負の感情で派閥が生まれることは往々にしてあります。
正論で「それはいけない」ということは簡単です。
しかしそこからは何も生まれません。
マネジメントをする上では、そもそもいかに不満を生ませないかを考えることが大切だと言えるでしょう。
一度生まれた負の感情はなかなか消えないもの。
そしてそれはどんどん増大していきます。
不満による結束を生まないように目を配ることを忘れてはいけません。
それでは今日はこの辺で。
明日は「正論は人をかたくなにする」を予定しています。