こんばんは。SMEです。
東洋経済オンラインの「ランク付けの人事評価が時代遅れすぎる理由」という記事を読んで思ったことをまとめてみました。
ノーレイティングという評価制度があるらしい
この記事では
- アメリカで成長している企業の多くで、ノーレイティングという評価制度が取り入れられている
- 従来型の評価制度では、誰のモチベーションも上がらない
- フィードバックが期末になるためPDCAサイクルに結びつかず、パフォーマンスが上がらない
ということで、ノーレイティング評価制度を紹介しています。
ノーレイティング型の評価制度というのは「評価をしない」ということではなく、
- 年次評価におけるランク付けを行わない
- コミュニケーションを頻繁に取る
- マネージャーの裁量で給与額を決定する
という特徴で、「継続的なメンバーのパフォーマンス発揮と成長につなげる」というものなのだそうです。
つまり
「上司が毎日ちゃんと部下を評価し、評価を給料に反映することでメンバーの動機づけをする」
ということなわけです。
ノーレイティング評価制度にも問題はある
一見合理的に見えるノーレイティング評価制度ですが、デメリットもあります。
- マネージャーの負担が増える
- 上司に報酬決定権をパスしてくれない企業が多い
- 導入自体が目的になってしまう
ことが挙げられており、管理人もその通りだと思います。
このうち、2 「上司に報酬決定権をパスしてくれない企業が多い」という点については 、
「上司による決定幅を給与体系にプラスする」
ということで解決はできるかと思います。
「評価手当」のような形で上司による評価が反映されるようにすればよいのです。
3 「導入自体が目的になってしまう」についてはもう、導入する側の意識の問題でしょう。
「カッコいいから取り入れてみようか」というレベルでは、失敗することは目に見えています。
著者が書いている通り、「何のためにその制度を導入するのか?」という視点が必要でしょう。
問題は1 「マネージャーの負担が増える」です。
プレイヤーとして優秀な上司が部下を潰す
ノーレイティング評価制度では、
「従来型の肩書に依存したマネジメント層(要はマネジメントしていないおじさんたち)では力不足」
であると著者の方が書いています。
これは非常に共感できます。
よく見受けられることとしては
- 肩書(上司であること)を利用して言うことを聞かせるのがマネジメントだと思っている
- プレイヤーとしては優秀なため、部下が「なぜできないのか」が理解できない
- そもそも、何も見ていない
が挙げられます。
1のタイプは減ってきているのかもしれませんが、特に弊害を感じるのは2のタイプです。
監督初年度の長嶋を思い出させますが(オレ幾つだよ)、自分ができることは他人もできて当たり前、できない理由が分からない、という上司は多数いるものです。
しかしこれでは部下が育ちません。
マネージャーにはマネジメント研修をするべき
マネージャーにする従業員に対しては、まずは社内でマネジメント研修をすべきです。
「うちの会社ではチームをこのようにマネジメントしてほしい」
という理念を掲げ、それに応えられるかを判断しなければなりません。
そもそも経営職にその理念がないということであれば、外部講師を依頼するかセミナーに行くなどして、まずは経営層からマネジメント研修を受けるしかないでしょう。
見ていると、マネジメント適性の有無ではなく
「プレイヤーとして優秀だから」
「そろそろあいつもいい年だから」
といった理由で管理職につけ、後はほったらかし、という事例をよく見ます。
これでは部下はたまりません。
「プレイヤーとしては優秀だがマネジメント能力はない」という従業員に対しては「スーパープレイヤー」として、スペシャリストとしての評価制度を作るべきでしょう。
「名選手、名監督にあらず」という言葉がありますが、ビジネスでもこれは同様です。
プレイヤーとして優秀な人が管理職につけばチーム全員がその人のレベルになるはず…というのは夢でしかありません。
人事評価制度を変える前に、まずは管理職研修をしてみてはいかがでしょうか。