「結論を先に伝える」ことの落とし穴

こんばんは。SMEです。

ビジネスの現場では

「できる人は結論から先に話す」

と言われます。

しかし日本の地方中小企業で働くには、それって上手くいかないんじゃないかな、と管理人は思うわけです。

  

 

結論が先では受け入れにくい

外資系や経営職がまだ40代ぐらいのベンチャーなら別でしょうが、地方で数十年存続している中小企業では

「いきなり結論を言われる」

というコミュニケーションに慣れていない人が多いと感じます(あくまで管理人の経験)

上級管理職だろうが経営者だろうが同じです。

もちろん彼らも忙しいので、ダラダラと話されるのはイライラするのです。

しかしスパッと結論から言われると、せっかくの結論を受け入れにくいということがあります。

特にネガティブな話であれば顕著です。

 

想像してみてください。

上司の席に近寄って「部長。辞めます」

会議で「このプロジェクトは失敗します」

考えるだに冷や汗ものです。

 

これは極端な例ですが、ネガティブなことを先に言われたとき、人は

「おお、そうか、理由は?」

とはなかなか言えないものです。

この辺りは、死刑判決の時に主文を後回しにするのと同じです。

 

答の前に概要を伝える

管理人がよく使うテクニックが、

「結論の前に、端的に概要を伝える」

ということです。

退職したいのであれば、「今後のことでちょっとお話したいのですが」。

プロジェクトに反対するのであれば、「今回のプロジェクト案について、◯◯課を代表して質問をしてもいいでしょうか?」

これは一例ですが、結論を言う前に

「今から私はこういった話をしますよ」

「今から私はネガティブなことを言いますよ」

 と伝えることで、相手は少なくとも「聞くモード」に入ってくれます。

ポジティブな話だろうが中立的な提案だろうが、この辺りはあまり変わりません。

 とは言えこれはあくまで「汎用性の高いテクニック」です。

相手によって対応を変えるべきことは言うまでもありません。

 

 

「アンサーファースト」より「相手ファースト」

「結論を先に言え」というのは、一部の企業人の中では当たり前のことかもしれません。

いや、大部分にとってもそうかもしれません。

しかし「あなたが伝えたい相手」にとって当たり前かどうかは分かりません

特に中小企業で50代から60代の上級管理職と話す時は、結論どころか

「最近、ゴルフ行ってます?」

「お孫さんの運動会ってもう終わりました?」

といったところから話を始めたほうがよっぽどうまくいく、というのが管理人の経験です。

大切なのは「結論を先に言うこと」ではありません。

「相手にこちらの意図が適切に伝わること」です。

アンサーファーストにこだわるあまり、相手が不快になる伝え方をしては本末転倒です。

「ビジネスではこれが常識」という固定観念にとらわれず、柔軟に対応を変えることができる人こそが優秀な企業人ではないかと管理人は思うわけです。

 

 

では今日はこの辺で。

明日のテーマは「部下はなぜ上司の言うことを聞くのか?」を予定しています。