面接のその質問、「何のため」にしてますか?

こんばんは。SMEです。

採用担当の方ないし役員の方が面接でしているその質問。

その質問、「どういう意図で」やってますか?

 

 

どのレベルまで面接してますか?

管理人は学生のアルバイトから中途採用の部長レベルまで採用面接をしてきましたが、この段階ですでに

「採用の可能性が高い人」

しかお会いしません。

企業によっては求人媒体に

「ご縁を大切にしているので応募者全員と会います」

と素敵なことを書いていますが、管理人は

  • 中小企業勤務なので、そんなにコストフルなことはしていられない
  • 自分もそれなりに忙しい
  • 多分、応募者も暇じゃない

ということで、お会いする方はかなり絞っています。

個人的には

「採用する気もない人に面接に来いって失礼じゃないかな?」

と思います。

お互いの貴重な時間をムダにしない方が良いというのが管理人のスタンスです。

 

相手のことを調べているか?

管理人は履歴書と職務経歴書を受け取ったら(パッと見てよほどひどい人でない限り)、大体一時間かけて読み込みます。

在籍していた企業のHPも「自分がそこを受けるのか?」と思うぐらい調べますし、住んでいるところの住所や通った学校、聞いたことがない資格を持っていればどういった資格なのかも確認します。

何度か書いていますが、管理人は

「面接は企業と応募者のマッチングの場である」

と考えています。

「こっちが面接してやるんだ」などとは思いませんし、「お見合い」のようなものである以上、会う前に相手のことを少しでも詳しく知っておきたい! というのは当然のことだと思っています。

そのため面接で質問することも人によって変わります。

「ここが分からないので訊きたい」ということをA4一枚ぐらいにまとめます。

「誰にでも必ずする」という質問は二つしかありません。

 

すでに企業は「選ばれる」立場である

管理人が働き始めた15年ほど前と違い、現在の求人状況は完全に売り手市場です。

少し古いですが、2018年8月31日の日本経済新聞の記事では

「正社員の有効求人倍率が1.13倍となり、2004年11月の調査開始以来最高水準が続いている」

と書かれています。

www.nikkei.com

その中で、中途採用者に判で押したように

「はい、では自己紹介してください」

「あなたの強みと弱みはなんですか」

といきなり訊いたところで、応募者に

「今どき、面接でこんな質問するのかぁ」

と思われるだけだと管理人は感じています(こんなに言い切っちゃって大丈夫かな、とは思いますが)

上記のような質問で確認できるのは

  • 客観的に自己を捉えられているか
  • 端的に話ができるか

といったところでしょう。

まさか自己紹介をさせる目的が

「その人の経歴を知りたい。へぇ〜、この人こんな経歴だったんだ。履歴書読んでなかったから知らなかったな〜」

などという人はいないと信じたいです。

とはいえ、履歴書と照らし合わせながらチェックをし、「合ってる、合ってる」とうなずいている面接官の方はよく見かけます。

 

中途と新卒でも質問は変わる

新卒や第二新卒に対してであれば、上記のような質問をする意味はあるかもしれません。

若年層は経歴も少ないため「自分が何をしてきたか」を覚えて2分で紹介するぐらいのボリュームで済みますし、「若いけれど端的に話ができるかな?」と気になる場合もあります。

しかし、ある程度職歴がある人に対してはどうでしょう。

ボリュームが多すぎて2分でまとめるのは難しいかもしれません。

また、ミドルともなれば普段の仕事では「大事な案件は資料を作って話をする」のが普通でしょう。

「はい、じゃあ今日はあなたの15年を何も見ずに私達に教えてね」

というのは無理があり、逆に応募者の長所に目が行かなくなってしまう可能性があります。

 

面接は「プレゼンしてもらう場」ではない

どうも面接官が一問一答式の質問をして応募者がそれに対して答える、という面接をしている企業がまだまだ多いように見受けられます。

しかしこれではプレゼンです。

営業マンだけを採用するわけではありませんし、プレゼンが上手だからといってコミュニケーション能力が高いとは限りません

「よくある質問に対しての答えを暗記してきました」

という応募者よりは、管理人としては応用力の高さを見ます。

例えば「緊張していますか?」といったところから始まり、

「普段から緊張しやすい方か?」

「普段仕事をしていて緊張するのはどういう時か?」

「部下にネガティブな事を言わなければいけない時は緊張するか?」

など、雑談形式で話をします。

そのため管理人は面接の前に

「今日は、暗記してきたことは全部忘れてください」

と伝えています。

以前の職場に、管理人が岡山で一番だと思う優秀なデザイナーで、かつマネジメント能力も高い方がいたのですが、この人は面接で応募者に

「機械と話しているわけじゃないので、今、僕が話したことを聞いてどう思ったか知りたいんですよ」

と言っていました。

管理人も、面接の場でお互いを少しでも知るためにはこの考え方が正解だと思います。


一問一答で相手のことは分からない

たかだか一時間の面接だけで「その人が本当はどんな人なのか?」を知ることは不可能です。

できるだけお互いを分かり合うには、質問をするだけでなく応募者とコミュニケーションを取るしかありません。

一問一答で面接をして

「はい、この質問は淀みなく答えられたね。はい、これは覚えてこなかったね」

というチェックが意味をなすのは第二新卒までです。

応募者も「よくある質問」ぐらいはFAQを考えてきます。 

「その人が本当はどういう考えをするのか」

「想定外の質問にどう対応するのか」

を見たければ、ありきたりな質問をしてもダメだということです。

 

管理人も、応募者に自己紹介をして貰う場合がないわけではありません。

例えば、「少しだけ早とちりするところがあるけれど、リカバーはできるのかな?」などと思った際に、職場ごとの失敗談を聞きたいという場合です。

ですがそれは最初ではなく、相手の緊張も取れてきた頃に

「じゃあ今更ですが、緊張もほぐれてきたと思うので、失敗談を交えながら職務経歴を教えてください。つっかえても全然かまいません」

とお願いします。

このようにリラックスした状態でたくさん話してもらうと、「今までで一番失敗した経験を教えてください」という「よくある質問」では引き出せない話が応募者の口から出てくるのです。

履歴書と整合性が取れていない話が出てきたなと思えば突っ込みますし、疑問点があれば教えてもらいます。

必要なのはコミュニケーションを少しでも深め、お互いの「こんなはずじゃなかった」ということを可能な限りゼロにすることのはずです。

「何のための質問なのか?」をもう一度考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

では今日はこの辺で。

明日のテーマは「こんなミドル層は転職に失敗する」を予定しています。