ビジネスパーソンにとって、問題を解決できる能力は必須です。
しかしそれ以上に「問題に気づくことができる能力」が必要なのです。
「問題」に対して人は三つに分類される
初めに書いておきたいのですが、「問題」という観点から見ると人を三つに分類することができます。
- 問題に気づかない人
- 問題に気づける人
- 問題を解決できる人
の三種類です。
この内、「問題に気づかない人」はここでは特に触れません。
確かに「問題に気づかない人に問題がある」ことは事実ですが、「問題に気づくのは俺の仕事じゃないよ」と考え、一定のタスクだけをこなしている人がいるのも事実です。
ここでは「問題に気づく能力を身につけるにはどうすればよいか?」を考えることとし、「問題に気づかない人に、問題に気づく能力を身につけてもらうにはどうすればよいか?」はまた別の課題としたく思います。
「問題に気づける人」と「問題を解決できる人」
「問題に気づかない人」はさておいて、「問題に気づける人」と「問題を解決できる人」がいるのは事実です。
もちろん「問題に気づき、解決することができる人」も存在します。
しかし「とりあえずいち早く問題に気づき、報告や注意喚起ができる人」も存在しますし、「自分では問題に気づくことができないが、解決能力は高い人」もいます。
ビジネスの現場ではこの内、「問題解決能力が高い人」が優秀であると評価されやすい傾向にあります。
もちろん問題解決が高い人、問題を解決することができる人は優秀なのですが、管理人としては
「とりあえずいち早く問題に気づき、報告や注意喚起ができる人」も負けず劣らずに優秀である、ということをぜひお伝えしたく思います。
早期発見が問題解決を容易にする
ビジネス上の問題を発見するについては、早ければ早いほどいいということはいうまでもありません。
問題とは火事のようなものです。
もちろん火事を出さないのが一番ですが、ボヤになって誰も気づいていないときに「火事だ!」と気づくことができる人がいれば、被害は少なくて済みます。
極端なことを言えば「かなり燃えてからでないと火事に気づかないが、火を消せる」という能力は、あまり頻繁に役立てて欲しくありません。
有益ではないということではなく「問題が炎上した」というケースをあまり想定したくないからです。
それよりもボヤのうちに問題に気づくことができる能力を有した人が「火消しが得意な人」に報告し、早めに火事を消し止めることができた方が損害は少なくて済むはずです。
恐ろしいのは、「火事ではないかもしれない」「おおごとではないかもしれない」という感覚です。
いわゆる正常性バイアスと言われるものですが、これによって問題は看過されてしまうわけです。
それを防ぐためには、ボヤのうちあるいはタバコの消し忘れに気づいた時に誰かが声を上げる必要があります。
問題に気づいたとしても、すぐに声を上げることに抵抗がある人もいるかもしれません。
「大したことがなかったら恥ずかしいし」
「業務に支障をきたして怒られても嫌だ」。
しかしそういったためらいによって問題は見過ごされます。
いわゆる「不祥事」と呼ばれるもの、リコール隠しや食品の偽装などはその分かりやすい例です。
どうすれば問題に気づく能力が身につくのか
では、どうすれば問題に気づく能力が身につくのでしょうか。
管理人が思うのは「見ること」の大切さです。
しかしただ漫然と見ていればいいのではありません。
注意して「見る」ことで「普段との些細な違い」に気づくことができる。
通常、「問題」というのは「いつもとちょっと違うな」というところからスタートします。
しかしその差異が些細であるために問題として認識されないまま、通常の状態との大きく乖離していき最終的には手がつけられなくなる。
「これぐらいなら大丈夫だろう」という判断が企業の存続を誤らせるわけです。
それを防ぐためには「よく見る」しかありません。
管理人は競馬をするのですが、競馬では「ケン」という言葉があります。
「ケン」とは馬券を買わずにレースだけを見て、その日の状況を判断することです。
この時にただ漫然とレースを見ていては状況や傾向に気づくことはできません。
そうではなく、注意して見るからこそ意味がある。
職場での日常もこれと同じであり、「いつもと同じ」はずの職場で少しでも「いつもと違うところ」はないかを「見る」ことが、問題に気づく能力を育てるのです。
それでは今日はこの辺で。
明日は「ビジネスパーソンが読みたい本」を予定しています。