こんばんは。SMEです。
アルバイト・パートなどの非正規雇用従業員、確保できていますか?
非正規雇用の確保は重大な問題
今や非正規雇用従業員がいないという中小企業など考えられにくい状況です。
20~30年ほど前であれば正社員が受け持っていたようなタスクを非正規雇用従業員が担っていることも多いでしょう。
単純なルーティン作業を安い賃金でアサインしているだけではなく、
「非正規雇用従業員がいないと特定のタスクができない」
つまり、
「ある作業については、非正規雇用従業員しか実際の作業方法を知らない」
状態になっている中小企業も少なくありません。
中小企業にとって、質の高い非正規雇用従業員を確保することは死活問題、とまではいわなくても重大な問題であることは間違いありません。
実際、雇用の現場にいると「アルバイトを募集しても応募者が来てくれない」という悩みを抱える企業が大変多いように感じます。
雇用を取り巻く状況は変化している
見ていると10年間の間に労働状況が変わったことに気付いていない人事担当者・現場責任者、そして経営陣が多すぎるようです。
「非正規雇用従業員にはできるだけ安賃金で代替性の高いタスクをやってもらい、閑散期にはシフトをカットしよう」
という考え方が通用したのはせいぜい10年ほど前まででしょう。
厳しいことを言うようですが、10年の間に社会の動向が変わっていることに気づかないのは経営者として失格だと管理人は思っています。
必ずしも「従業員の待遇を良くしなさい」とは言いませんが、社会の状況が変わったのであればそれに対し、例えば利益率に特化して経営規模を縮小するだとか、技術を刷新してマンパワーを減らすだとか方法はあるはずなのです。
それができないのであれば、人を確保するためには待遇を良くするしかありません。
と言いますか新聞を読み、売れているビジネス書の傾向だけでも把握し、ネットニュースに目を通し、部下や若手従業員と話し、社外でも情報を交換していれば、10年前とは雇用をめぐる状況が大きく変わっていることぐらいは気付くはずです。
「人事は他の人間に任せてあるから分からないし、分からなくてもいい」
という問題ではありません。
「雇用を取り巻く状況の変化には気付きませんでしたが、業界の変化は肌で感じています」
ということは考えにくい。
恐らくそういうことを口にする方は、自社が属する業界やマーケットの変化についても(少なくとも同業他社の経営者よりは)鈍感であろうと思います。
なぜ雇用を取り巻く状況の変化に気付かないのか?
これはつまり、過去の成功体験から抜け出せないのです。
2000年代初頭は特に顕著でしたが、就職超氷河期には「優秀なのに内定がもらえない学生」がゴロゴロいました。
管理人自身もこの世代ですが、当時は「君がフリーターなの?」と驚くことがままありました。
そのため、企業は優秀な若手を非正規雇用として安い賃金で抱えることができました。
賃金は安くて済む、非正規だから待遇もさほど考えなくていい、しかし仕事はできるからタスクのレベルも上げられる。
企業にとっては嬉しいことばかりでしたが、そんな状況がいつまでも続くはずはなく、今度は
「高度なタスクを非正規雇用従業員にパスしたが、非正規雇用従業員が採用できなくなってきた」
という困った事態になってきたわけです。
先日も岡山市内にある取引先の代表(40代)の方に
「若い男性のフリーターが応募してこない」
と相談を受けましたが、はっきり言って「地方在住の若いフリーター」などレッドリストの絶滅危惧種です。
存在し得ないものを「なぜ応募してこないのか?」と悩んでも、悩むだけ無駄というものでしょう。
結局のところ10年〜15年前に「安い賃金でいくらでも人の替えが効いた」という記憶が強烈すぎて、それが当たり前だと思い込んでしまっているのです。
人を採用するには時代の変化を理解すべき
単純な話ですが、事業をしている以上は変化に気付き、理解し、対応しなければならないのは当然のことです。
また厳しい言い方になりますが、これから少子高齢化が進みマーケットも縮小する中では
「雇用を取り巻く状況の変化に10年間気付きませんでした」
という企業はそもそも自社を取り巻く環境の変化にキャッチアップできず淘汰されるでしょう。
「企業は人なり」という言葉があります。
それはコアとなる一般社員だけでなく、経営者も非正規雇用従業員をも含むものであると管理人は考えます。
非正規雇用従業員が生き生きと働いている企業は、経営陣も素晴らしい方が揃っていることが多いものです。
変化を忘れず、そして恐れないことが、人を確保するための根幹でしょう。
では今日はこの辺で。
明日は「ビジネスパーソンは文学を読め」を予定しています。