今年は2020年度の新卒採用に向け、企業合同説明会や単独説明会に参加してきました。
(単独説明会は現在も進行中)
その現場から、中小企業と新卒採用についてお話をしたいと思います。
BtoBの中小企業における「知名度の低さ」
もの凄く低いレベルの話から始めるのですが、何と言っても中小企業が新卒採用をする上でのネックは「知名度の低さ」です。
ましてやBtoBの企業ともなると、会社の名前を知っているという学生が合説のブースに自分から進んで来てくれる可能性はほぼ皆無。
総出で呼び込みを行い、何とか学生を引っ張ってこなければなりません。
管理人の会社も業界ではそれなりに大手ですがBtoBの企業ということもあり、100名近くの学生をブースに動員した中で社名を知ってくれていた学生さんは2人だけでした。
認知率が2パーセントというのはかなり低い数字だと思います。
常日頃から採用を意識して企業広告を打てればいいのですが、なかなかそうもいかない。
そうである以上、まずは合説の会場において知名度を地道に上げていかなければならないわけです。
認知されなければ好きも嫌いもない
大企業や、大企業とは言えないまでも中堅どころの企業でエンドユーザー向けに商品やサービスを提供しているとやはり認知度は高いものです。
少なくとも学生が「この企業は説明を聞いてみたい」「聞いてみたくない」という判断を自分で下すことができる。
それに比べてBtoBの中小企業というのは「知らない」以上、学生たちが社名だけで「この企業は説明を聞いてみたい」「聞いてみたくない」という判断を下すことができません。
実際に管理人が呼び込みと説明を行なった学生からも「こんな企業があることは知らなかったが、話を聞いてみたら面白そうだと思いました」と言ってもらったこともあります。
知ってもらえなければ好きにも嫌いにもなってもらえない。
つまりは無視されているわけで、これははっきり嫌いだと言われるよりも辛いものがあります。
選挙の際に政治家が政策も言わずただひたすら名前を連呼していますが、これも同じこと。
まずは認知してもらえなければ嫌いだとすら思ってもらえないわけです。
中小企業は日頃から認知度向上を考えるべき
BtoBの中小企業が一般認知度を上げるのは並大抵のことではありません。
しかしながらこの努力を怠っていると、合説のブースに集まってくるのは漠然としたビジョンしかない学生であったり、あるいは人から声をかけられないと動けない学生だったり、はたまた決断力の低い学生であったりするわけです。
少なくとも「主体的にこの企業で働きたいと思った」という学生が説明を聞きにくる可能性は(高くて)2パーセントになってしまうわけです。
もちろんその学生を必ずしも採用できるわけではありません。
能力が低くて採用できない場合もあれば、内定を出しても辞退される可能性がある。
結果として、企業側からすれば「理想の生徒もいないし、このレベルの学生でまぁいいか」、学生側からすれば「第一志望には落ちたし、この企業でまぁいいか」という妥協の産物になってしまう。
もちろんそれが必ずしも悪いわけではありませんが、定着率や生産性、ロイヤリティが上がることはあまり期待できそうにありません。
それを避けるためには、説明会の会場で泥縄で認知度を上げるのではなく、常日頃から若い世代やその父母世代に向けて認知度を上げられないか検討する必要があります。
SNSを活用したり、HPのコンテンツを充実させるのは一つの方法でしょう。
もちろんそれだけが答えではありません。
しかしながら、
「当社はエンドユーザーからの認知度が低いから、新卒採用までに認知度を上げなければならない」
と常日頃から意識している企業と、説明会当日になってから人海戦術で学生を呼び込んでいる企業では、採用できる学生の量も質も変わってくるでしょう。
それでは今日はこの辺で。
明日は「ダメな上司から何を学ぶか」を予定しています。