二週間ぶりぐらいの「この一枚を聞け」。
「昔は良かった」とばかり言っているわけではありません。
今日は最近のバンドの一枚をご紹介したいと思います。
2018のアルバム「充分未来」を聞く
集団行動、というのがバンド名です。
このブログを読んでくださっている方の中にご存知の方がどれだけいるかは分かりませんが、この集団行動というバンドはもともと相対性理論というバンドでベースを引き、メインコンポーザーであった真部脩一と、同じくドラムを担当していた西浦謙助が新しく始めたプロジェクトです。
この相対性理論というバンドもめちゃくちゃかっこよくて大好きなのですが、それはそれとして今日はこの集団行動が2018年にリリースした、「充分未来」というアルバムを紹介したいと思います。
実は集団行動は2019年4月にも「SUPER MUSIC」というアルバムをリリースしたばかりなのですが、管理人の好みでは「充分未来」の方が「らしさ」が出ていると思ったのであえてこちらをご紹介するわけです。
その「らしさ」というのは「したたかなポップネス」とでもいうものです。
集団行動における「したたかなポップネス」
このアルバムで聞かれる音楽は実にポップです。
しかし単にポップなだけではなく、どこかにアイロニーやシニカルさを含んでいる。
それは真部が参加していた相対性理論においても通じるものがあります。
(確かにやくしまるえつこも同じセンスがあるのですが、やはり相対性理論はやくしまるえつこと真部の「似ているが異なる感覚」におけるアウフヘーベンがあってのものだったのではないかと思います)
真部が書く曲のメロディーラインはとてもポップなのですが、進行や歌詞に「単なるポップ」の枠には収まらないひねりがある。
それは単なるポップから意図的に距離を置くことでポップミュージックを対象化し、ポップミュージックに対する一つのアンチテーゼとして「充分未来」というアルバムを作り上げたように感じられます。
ボーカルの齋藤里菜も、前作に比べ明らかに「バンドのボーカル」としての成長が感じられます。
特に「鳴り止まない」には「したたかなポップネス」が溢れている。
youtubeでも一部が聞けますので、少しでも興味をお持ちの方はぜひぜひご試聴いただければと思います。
それでは今日はこの辺で。
明日は「『実際にどうであるか』と『人からどう見えるか』は違う」を予定しています。