面接の技法 その2 面接官は面接の仕方を知らない

面接では人事担当者を初めとしてさまざまな方が色々な質問をします。

ところで面接官と呼ばれる人々は、どこで面接の仕方を学ぶのでしょうか?

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面接官の独りよがり?

もちろん面接の技法はさまざまあり、どれがいい悪いではありません。

例えば新卒採用でよく使われている(いた)手法に圧迫面接というものがあります。

これは厳しい質問を厳しい態度で投げかけることにより相手が動揺せずにちゃんと答えられるか、答えがブレないか、精神的にタフかなどを見るものです。

それはそれで良い面もあるのですが、反面、面接官と信頼関係を築くことは難しくなり、採用した後は比較的現場任せになりかねず、またそのような面接を受けた方が(入社する・しないにかかわらず)

「ここは圧力をかけてグイグイ来る会社」

という印象を受けることも否定できません。

さらには、この面接を経て入社した従業員が傾向としてパワハラ気質になる可能性もあります。

そういった面接を経て入社したのであれば圧力に強い人が元々多く、かつ文化としてそれが推奨される土壌があると考えられるからです。

しかしながら、例えば採用面接に関わらない経営者・役員がいたとして、それらがみな

「うちは昔の営業マンみたいなタフな社員だけがほしい」

と考え、社内合意ができているとは限りません。

要は単純に、面接官だけが圧迫面接を良しとしていることは往々にしてあるのです。

 

自己紹介に意味はない

また、面接でありがちなのが

「あなたの自己紹介をしてください」

という質問です。

はっきり言って、管理人はこの質問をする面接官というのは、全く何も考えずに面接に臨んでいると考えています。

応募者が自分を深掘りできているかは、他の質問でいくらでも確認することができます。

また、相手が自分をよく見せようとして優等生的な回答をじっくり用意しておくことも可能です。

この質問で確認できるのは、

「応募者の記憶力がよいかどうか」

だけです。

サラリーマンが駒であり、画一性が求められたような昔であれば、記憶力というのは非常に重要な要素だったかもしれません。

ですが、現代では応用力やEQなど、ビジネスパーソンに求められるスキルは多様化しており、「文章を暗記できる記憶力」というのはさほど重視されません。

ではなぜ面接官は「自己紹介をしてください」というのでしょうか?

それは面接官が何も考えず、「面接では相手に自己紹介をしてもらうものだ」と思い込んでいるからです。

 

面接の目的は何か?

とはいえ、「じゃあ圧迫面接をしてはいけないのか」「面接で自己紹介を求めてはいけないのか」ということではありません。

目的に沿った面接が大切である、という単純な話なのです。

第二新卒や若年層の作業者レベルで言えば、自己紹介をしてもらって「人前である程度自分の話ができるのか」を見るのは一定の効果があるでしょう。

しかしそれを、例えば「真面目で物静かな経理課長を中途採用したい」などという場面で行っては、目的に合致した効果が得られるかは疑問であるというわけです。

どういう人を採りたいのか、そのために面接で何を見たいのかをしっかり考えておかなければ、誰に対しても自己紹介をして下さい、つっかえずに話せたのでOKです、といった、何の意味もない面接になってしまうわけです。

そもそも、「書類(履歴書・職務経歴書)に書いてあることをわざわざ聞く」というのは面接で質問をしてその人のことを深く知ろう、というのではない。

単に照合作業をしているに過ぎないのです。

「書いてあることを言えるか」というレベルであれば何も人事部長や役員が出ていく必要はない。

それなのに判で押したように誰にでも自己紹介を求めるのは、「何も考えていない」からにほかなりません。

そうでないとしたら、「応募者はみんな正直で嘘をつかない」という非常にお気楽な前提のもと、質問を自分で考えることではなく、何を話すかを相手に丸投げすることで相手のことを教えてもらおうという他人任せな態度になっているわけです。

厳しいことを言いますが、そんなことで面接の精度が上がり、「いい人」が入って定着し活躍する、などといったことが起こるはずもありません。

 

面接の仕方を教えているか?

ではそういった事態を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか。

管理人は面接の精度を上げるために、どうすれば面接で相手のことを引き出せるのか考えてきました。

ところがそんなことは経営者も役員も総務部長も人事責任者も、誰も教えてくれたことがないのです。

管理部門で言えば、経理労務管理も「基本」があります。

帳簿の付け方は簿記のルールに沿っていますし、労務管理労働基準法を初めとした諸々の法律を根底としています。

しかし採用については「自分でどうぞ」の世界なのです。

職人のように「見て覚えろ」ですらない。

採用をやっていた人間が中途で入社し、別の会社で採用をすることになると完全に「丸投げ」です。

しかしそれでは面接の精度が上がるはずもない。

採用面接を行う人間は、部下のみならず、同席する現場責任者や二次面接をする役員に、「面接の仕方」を教えなければいけないのです。

なぜなら、誰一人として「面接の仕方」を知らないからです。

面接を受ける側からすると恐ろしいことですが、面接官は採用について「何も知らない」まま面接に臨んでいるわけです。

(続く)