管理人の本棚からビジネスパーソンにお勧めする「ビジネスパーソンが読みたい本」シリーズ。
沢木耕太郎の何を紹介するか迷った
以前は夏目漱石の「二百十日」をご紹介しましたが、今日はぐっと下って沢木耕太郎の「深夜特急」をご紹介したいと思います。
一応ご説明しておきますと、沢木耕太郎は日本を代表するノンフィクション作家です(近年は小説も書いていますが)。
(中学生の頃からもう20年以上沢木耕太郎を読んでいる管理人としては「ノンフィクション作家」というよりも「ルポライター」という呼称の方がしっくり来る気はするのですが、まぁそれはそれとしまして)
そんな沢木耕太郎の作品は数多くあり、実は何を紹介するか迷いました。
正直に言えば、沢木耕太郎は一冊を読めばいいという作家ではありません。
そのため、「この一冊を読め!」ということは言いにくい。
深夜特急をお勧めしたのは便宜的なものです。
何でもいいのですが、とにかく沢木耕太郎を一冊読んでください。
少しでも琴線に触れたら、手当たり次第に読んでいただきたい。
それが沢木耕太郎の正しい読み方であるという気がします。
人生には、沢木耕太郎を読む人生と沢木耕太郎を読まない人生がある
管理人は沢木耕太郎が好きですが、一番好きな作家だ! と断言できるほどではありません。
現行で手に入る文庫本は全て持っていますが、単行本は持っていません。
他にも好きな作家はたくさんいます。
ですが、持っている本で再読していないものはありません。
沢木耕太郎の本というのは、手当たり次第に繰り返し読むことで行動パターンや思考が変わるものだと思います。
何と言いますか、「青年っぽい」のです。
沢木の本からはセクシャルなにおいもしませんし、ほかの作家が書いたら汚くなってしまいそうな情景を描いても、醜い生々しさがありません。
しかしだからと言ってリアリティを欠いているかというと全くそんなことはない。
ルポルタージュならではの冷徹な視線はあるのですが、優しさと前向きさがあるのです。
前述したように、管理人は沢木耕太郎が一番好きだ! というわけではありません。
しかし、人生は沢木耕太郎を読むかどうかで違う、とは思います。
沢木耕太郎を読む人生と沢木耕太郎を読まない人生は歴然として存在します。
それがどれだけの違いか、その違いが必要なのかは人によるかもしれません。
ですが管理人は沢木耕太郎を読む人生を選択して良かったなと思います。
沢木耕太郎を読むことで、管理人は多少なりとも青年期にしかない「清潔さ」を維持し得ている気がするのです。
年齢とともに忘れてしまいがちな青年特有の「清潔さ」。
沢木耕太郎を読む人生には、それが残されている気がします。
特に男性にはぜひ読んでいただきたいなと思います。
それでは今日はこの辺で。
明日は「スベる技術」を予定しています。