こんばんは。SMEです。
中小企業にありがちな課題とはいったい何でしょうか?
そしてミドルマネージャーができることは何でしょうか?
中小企業のゼネラリストの視点から
自分のことになりますが、管理人はコールセンターの運営、EC業界での拠点事務管理、そしてweb制作会社での管理部門責任者など、数社で仕事をしてきました。
「ゼネラリスト」と言えばカッコいいですが、要は何でも屋です。
マーケティングの手伝いもすれば、営業事務的な仕事もする。
数値管理もすれば、採用も法務もやる。
営業もして、苦情対応もする。
やっと終わった……と思ったら、「電気がつかない」と言われて管理会社に連絡する。
自分としては「部署間にまたがる業務改善」と「マネジメント」が自分のキャリアの柱だと思っていますが、
「簿記2級を取得していて、経理をずっとやってきました」
「整備士をやってます」
など、一言で言える職歴ではないため、自分自身が採用面接を受けて
「はい、じゃあ自己紹介してください」
と言われると、うっと言葉に詰まってしまうのが偽らざるところです。
そのため「中小企業の課題」と言いましても、人事や法務の専門家として、あるいはマーケティングのプロとして、はたまた現場の最前線からこんにちは、と意見を述べられるわけではありません。
この辺りは中小企業で働く人の悩みでもありますが、逆に考えれば多角的な視点を持てるということでもあるでしょう(と思わないとやってられない)。
「地方都市の中小企業で働くいちミドルマネージャークラスのゼネラリストが、中小企業の課題についてどう考えている(何ができると思っている)のか?」
というご参考になれば、と思います。
キャッチアップができていない
地方に住んでいると実感するのが、中小企業が「今の時代にキャッチアップできていない」ということです。
「そんなことはない。経営層はいろんなことを考えているんだ。お前は甘い」
というご意見もあるでしょうが、中小企業庁の統計によれば中小企業の倒産理由の内訳としては、販売不振によるものが68%と7割近くを占めています。
これはつまり、
「事業の不振に対して有効な対策が立てられなかった」
ということにほかなりません。
「時代にはキャッチアップできていましたが、倒産するほど売上が減っちゃいました」
ということはあまり考えにくいのです。
もちろん「今の時代にキャッチアップできていない」というのは、単に「インターネット販売に対応できていない」などということではありません。
逆に考えの古い経営者ほど
「とりあえずインターネット通販に活路を見い出せばいいのではないか?」
と安易に考えていますが、実際にはEC業界での倒産は増加しています。
よほど特殊な商材を扱っているのでない限り、今になってのECへの本格的参入というのは遅きに失したとしか言えません。
(もちろん創業間もない企業なら別ですが)
「キャッチアップ」でよいのか?
こう書くと
「キャッチアップじゃダメなんじゃないの? 時代を先取りするのがビジネスじゃない?」
というツッコミをいただきそうですが、管理人は一概にそうも言えないと思っています。
もちろん、ビジネスにおいて最も強いのは「ルールを作った者」であることは間違いありません。
時代を先取りし、新しいビジネスモデルを作れればそれに越したことはないでしょう。
しかし、例えば創業から数十年の間一つの事業を続けてきた、社内リソースも少ない地方の中小企業で、
「時代を先取りした新しいビジネスモデル」
などというものがそう簡単にポンポン生まれるものでしょうか?
そう考えると、二番煎じでも、あるいは業界の中でニッチな市場を開拓していくなどでも、ひとまず現状に追いつくことが大切なのではないかと管理人は考えます。
特に現代は技術の進歩も流行の変化も日進月歩です。
社運をかけて取り組んだものが一年で陳腐化した、などということになれば、それこそ中小企業にとっては大きな痛手です。
どうすればよいか?
ミドルマネージャーや若手リーダー層は、経営職に比べ現代的で柔軟な思考ができるとともに、入社間もない若年層と異なり、業界や社内の現実に即した提案が可能です。
また提案を通す実績や信頼もあることでしょう。
初めは自部門だけの小さな変化であっても、社内に発展させていきやすいという中小ならではの強みもあります。
何だか非常に足元からの小さな話ではありますが、ひとまず
「自部門は現代にキャッチアップできているのか?」
を考えるのは、一つの有効な方法でしょう。
「自身は優秀で勉強もしており、部下のマネジメントもできているが、部門としては従来のやり方を続けている」
というミドルマネージャーは意外と多いものです。
他部署や他社などを横目で見ながら、「自部門は現代にキャッチアップできているのか?」を考えることは、自身が中小企業でステップアップしていき、かつ企業を成長させるための一つの有効な方法ではないでしょうか。
では今日はこの辺で。
明日のテーマは「中小企業こそダイバーシティを!」を予定しています。