- 中小企業がSNSを使う意味とは?
- 中小企業がSNSで陥りがちな3つのミス その1「内輪受けになる」
- 中小企業がSNSで陥りがちな3つのミス その2「更新が滞る」
- 中小企業がSNSで陥りがちな3つのミス その3「対象が不明」
- SNSの運営に失敗するデメリット
- 「とりあえずSNS」は絶対にやめるべき
中小企業がSNSを使う意味とは?
こんばんは。SMEです。
のっけから自分でも
「オレ、言い過ぎかな」
と不安になってしまうタイトルですが、しかし実際に中小企業のSNSを見ていると
呆然としてしまう
ことが多々あります。
今は多くの企業がFacebookやtwitter、LINEにinstagramなどSNSアカウントを開設しています。
しかし社内にきちんとした運用担当者がいたり、パートナー会社に依頼したりしている大手企業と異なり、中小企業のSNSは目も当てられないものが見受けられます。
またSNSだけではなく、企業HPに掲載されているブログでも同じことが言えます。
なお、HP自体は
「古いな」
「今どきの会社じゃないな」
と感じることはあっても、「目も当てられない」というのはさすがにありません。
これはやはり、HPは(大体が)制作会社に作ってもらっているからでしょう。
逆に言えば、SNSというのはプロでなくても簡単に始められます。
「どこもtwitterとかやってるみたいだし、うちもやるか。ついでにブログも」
という感じでついつい安易にSNSやブログを始めてしまうのです。
しかし、無計画に始めたSNSは、企業にとって大きな失点になりかねません。
中小企業がSNSを始めて陥りがちなミスは大きく分けて3つあります。
中小企業がSNSで陥りがちな3つのミス その1「内輪受けになる」
大体においてSNSは、企業の利益に直結するものではありません。
またHPのリニューアルと異なり、更新頻度が高いため、ついつい上級職のチェック体制もないままに更新が繰り返されてしまいます。
とんでもない発信をして不祥事になることはなくても、BtoCの企業が集客動線にしたいはずのSNSで
「担当者が若者に媚びた言葉を使っているつもりが、年齢を感じてイタい」
などというケースはしばしば目にします。
ハッキリ言いまして、三十路を過ぎた担当者が
「この冬のコーデはこれで決まり(ハート)」
などと書いてみても、若い消費者は
「これ書いてるの、おっさんじゃね?」
とうっすら気付いてしまうものです。
担当者としては若い人におもねって書いたつもりのテキストであっても
「チョベリバ」
レベルの化石語を振りまいて得意になっている可能性はゼロではありません。
ほかにも、企業にとっては目新しいことであっても、外から見たらそれがどうしたの? という投稿も後を立ちません。
「新型SNK-2がついに本社工場に導入されました! これでホンダワラの乾燥時間が半分になります!」(内容は適当です)
など写真付きで投稿されていても、
「いいね!」してるのは社長だけ
などという残念なケースは本当によく見るものです。
どこも人手不足の中、貴重な社内リソースを使って、社内の人しか見ない(あるいは社内の人さえあまり見ない)SNSを更新することに何の意味があるでしょうか?
(やっぱり言い過ぎかな、オレ)
中小企業がSNSで陥りがちな3つのミス その2「更新が滞る」
同じようによく中小企業のSNSアカウントで目にするのが、「全然更新してない」というケースです。
開設当初は薄い内容を頻繁に更新しているのに、「いいね!」が全く伸びず尻すぼみ。
最終更新はもう二か月前……。
こんな状態であれば、すっぱりアカウントを削除したほうがいいでしょう。
少なくとも世間に対して、「ウチはSNSの更新が滞っている企業です」というアナウンスをせずに済みます。
下手をすると、
「あれ! この会社、SNS更新してないけど倒産したのかな?」
と思われてしまいます。
ブログも同様。
特にインターネット関係やアパレルなど感度が高くないといけないはずの企業では、SNSやブログの更新ができていないというのはかなりのマイナスになるでしょう。
言ってみれば、
「不動産屋なのにものすごい僻地にポツンと建ってる」
とか
「医者なのに診察中に死にそう」
みたいなものです。
「大丈夫かよ。」
その企業のことをよく知らない人にとっては、その一言しかありません。
中小企業がSNSで陥りがちな3つのミス その3「対象が不明」
最後に挙げられるのが、「誰に対して発信しているのか分からない」というケースです。
筆者が以前、エージェントの方に紹介されて面接に行った企業では、社長と専務がブログを書いていました。
これがまぁ何というか古めかしい人生訓のようなもので、管理人は
「社長と専務が貴重なリソースを割いてブログを書いているが、企業としてこれをやる目的は何か?」
ということを(もちろんもっと丁寧に)質問しましたが、
「はぁ?」
という反応しか得られませんでした。
しかしこういった例は多いのです。
本来であれば顧客や見込み顧客、そして未来の従業員に見てもらうべきはずのブログで「感謝して生きなさい」と上から目線で書いてしまう。
つまり、このブログの対象は「(現在の)従業員」なのです。
しかしそれであれば社内報にすればよく、外に向けて発信する意味はありません。
若手従業員が持ち回りでカジュアルに発信している、ということであれば
「働いている人の顔が見える企業を作る」
という方向が見えなくもありません(意識しているかどうかは別として)。
しかし、経営者や次期経営者が、時給換算すると何万円という、本来であれば経営に専念できる時間を割いて
「自宅の梅の木が咲きました。皆さんも一人ひとり、自分の花を咲かせてください」
ということを書いても、企業にとってメリットはないと思われます。
厳しいことを言うようですが、これでは
「中小企業経営で功成り名を遂げたおじいさんが、随筆を書いて自費出版した」
域を出ません。
さらに言えば、社長が書いているということで
「梅の木が咲いた、ではなく梅の花が咲いた、が正しいんじゃないでしょうか?」
などと訂正してくれる人もいないまま発信が垂れ流しになる、というかそもそも社内ですら、誰もブログやSNSの情報など見ていない、という事態が目に浮かびます。
いずれにせよ、社外に発信する以上、
「誰に向けたどんなメッセージなのか」
もっと言えば
「誰にどうしてほしいのか」
を明確に意識する必要があります。
それを読んだ顧客が購入を検討してほしいのか?
応募者に企業の理念や雰囲気を知ってほしいのか?
それが「従業員」に向けたものであれば、社外の人がアクセスできるようにする意味はありません。
SNSの運営に失敗するデメリット
SNSの運営に失敗する理由は、何と言っても経営職や担当者が
「インターネット上の情報は簡単にアクセスできてしまう」
ということを認識していないからです。
自身はインターネットで情報を集めているのに、顧客や求人の応募者が同じように自社の情報をインターネットで収集し、
「更新が滞ってるな。経営が上手くいってないのかな?」
「何か、根性論の会社なんだな」
「いいね! してんの、社長ばっかりじゃん」
などと思われていることは意識していないのです。
当然、印象は悪くなり
・求人への応募が減る
・顧客が離れる
といった事態が起きてきます。
「とりあえずSNS」は絶対にやめるべき
目的もターゲットも決まっていないまま
「とりあえず、他社もやってるからウチもSNSのアカウントを作るか」
というのは絶対に避けるべきです。
思っている上に、ステークホルダーは企業の情報をチェックしています。
「ウチは情報更新できない企業なんですよ」
「ウチは一度始めたことをいつの間にかやめちゃう企業なんですよ」
とネット上で広くアピールするよりは、最初からそのリソースをほかに割くほうが賢明です。
もちろん、使い方を間違わなければSNSは顧客獲得にも採用にも大きな強みを発揮しますし、企業の認知度を上げることも可能です。
貴重なリソースを使って、何のためにSNSやブログをやるのか? ということを再認識すべきでしょう。
また、もしもあなたの会社のSNSやブログが「陥りがちな3つのミス」に当てはまっているようであれば、目的とターゲットを踏まえたテコ入れを提案してみてはいかがでしょうか。
まぁ、上司には
「え? ウチtwitterなんかやってるの?」
とか言われちゃうかもしれませんが……。