「困ったなぁ、これ山田さんじゃないと分からないよ」
そんなことがしばしばあったりしませんか?
「あの人がいないと誰にも分からないことがある」
スペシャリストを養成するのは大切なことではありますが、「あの人がいないと誰にもわからない」ということがあると職場の生産性が下がってしまうことはいうまでもありません。
物品の収納場所からフォルダの構築など、「探しているものがどこにあるのか、格納・収納した本人にしか分からない」という些細な、というよりも言ってしまえば本当に下らないことで取られる時間というのは、意外なほど多いものです。
「格納・収納場所を変えたら情報を共有しましょう」という初歩的なことを周知するだけでも過剰な労力を取られ、それでもなかなか徹底されないため、アナウンスする方はどんどん疲弊してしまう。
加えて情報の共有ができているメンバーにとっては「情報を共有する」ことなど当たり前であるため、そんな初歩的なことを繰り返し言われれば言われるほどバカバカしく感じてしまう。
できない人には言っても意味がなく、できている人に言っても意味がない。
これでは何のために周知しているか分かりません。
自分から情報を共有する
情報を共有するということはこのように難しく根が深いわけですが、自分が仕事を抱え込んでいてはリアリティのカケラもありません。
同僚を出し抜くため、あるいは単に面倒であったり忘れていたりということで情報を共有していないと周囲の助けも借りにくくなります。
また、情報を共有できていない人は部下に指示を出すこともできません。
自分の頭の中になる情報を言語化して共有しておけないというのは、説明が下手だというだけでなく、自分に何かあった時のリスクヘッジもできておらず、また組織で働くということの意味も分かっていないと言えます。
「自分では仕事の細部まで分かっているが、いざマネージャーになるとさっぱり」というタイプはそもそも情報を共有することができていないのです。
組織がうまく機能しているかどうかというのは、端的に言ってしまえば情報がどれだけ共有されているかどうかです。
まずは単純ではありますが「これはあの人でないと分からない」ということを無くしましょう。
そのためには自分から、仕事の中身を共有すること。
マネジメントとはそういうことだったりします。
それでは今日はこの辺で。
明日は「人はあなたの行動を見ている」を予定しています。