社会人たるもの、納得できないからといって仕事を断れるわけではありません。
そのためマネジメントをする上では「相手が納得して仕事をしているのか、そうでないのか」を判断しなければなりません。
とはいえ、全ての仕事を納得させられるわけでもないのは致し方ないところ。
同じ「納得できない仕事」であっても「やっつけ」ではなく本気でやってもらうにはどうしたらいいのでしょうか。
納得できない仕事を「納得させる」ことは難しい
「人を動かすのはロジックだ」と思っている人が陥りがちなのが「納得できない仕事を、相手が納得するまで説明する」という行動パターンです。
これは最終的に部下からは「分かりました」という回答を引き出すことができるのですが、
- 本当は納得できないが
- 時間も無駄だし
- 上限関係がある以上逆らえないので致し方なく仕事を引き受ける
という結果になります。
ロジック派の上司としては「納得できない仕事を納得させた!」という優越感に浸ることができますが、相手が10割の仕事をしてくれることはまずありません。
「相手の行動を変える」ことは上下関係があれば可能ですが、「相手の気持ちを変える」ことは上下関係があってもできないからです。
納得できない仕事をしてもらうにはロジックだけではうまくいかない
「情理を尽くす」という言葉あります。
人を説得するときなどに使われる言葉ですが、この言葉の通り、納得できない仕事をしてもらうには「理」だけでなく「情」を尽くさなければなりません。
それには「仕事」を主体とするのではなく「相手」を主体としなければならない。
「君が納得できないのは分かるけれど、社内でこれができるのは君しかいないからお願いしたいんだ」
「上に行ってもらうためには、どうしてもこれはあなたにやってもらいたいんだ」
と言われれば、少なくとも人は表面的に反対しにくい。
それは「仕事」ではなく「当人」が主体となっているからです。
単純な話ですが、
「納得できない仕事を『この人』に納得してもらうにはどうしたらよいのか?」
を考えたときに出てくる答えは「仕事」ではなく「この人」を主体として話をすることです。
「正しいロジックがある仕事なのに、納得できないからといって従わないのは悪いことだ」というのは正論です。
しかし、正論を言ったからといって何かが変わるでしょうか?
大切なのは正論を言うことではなく結果を出すこと、納得できない仕事をする相手に10割、できればそれ以上の結果を出してもらうことであるはずです。
納得できない仕事をロジックで「納得させた」気にさせるのではなく、少しでも力を割いてもらうためには「相手」を主体として話をすべきでしょう。
それでは今日はこの辺で。
また近いうちにお目にかかりましょう。