こんばんは。SMEです。
さて、中小企業とダイバーシティについて考察している
「中小企業での幸せな働き方を考えるブログ」。
今日は三日目です。
地方中小企業における人手不足の理由はどこにあるのか?
今や、人を採用すること、そして働き続けてもらうことは日増しに困難になっています。
管理人の体感としては、年単位どころか月単位で、若くて優秀な人を採用するのが難しくなっている印象を受けます。
理由としては三つが考えられます。
まず少子高齢化による優秀な人材の奪い合い。
最後に、若い世代の意識の変化による「企業離れ」です。
少子高齢化による優秀な人材の奪い合い
まず最初に挙げた「少子高齢化による優秀な人材の奪い合い」。
確かに企業数自体も減少しています。
少し古いデータですが、1999年から2014年までの15年間で、中小企業は102.8万者減少しています。
しかしだからといって単純に102.8万事業者分の労働人口が不要になったということではないのは当然でして、ダウンサイジングして効率化した企業もあれば、非正規雇用従業員を増やした企業もある。
事業者数の減少と労働人口の減少は、必ずしも比例してはくれないわけです。
一つだけ間違いなく言えることは、少子高齢化により若くて優秀な人材は母数が少なくなっており、奪い合いになっているということです。
それに気づいている一部の企業が雇用に力を入れているため、優秀でフレキシブルな若者たちは当然そちらに集まります。
当然、
「若手はみなし残業代込 年収300万アンダーで働け! 年間休日は100日ギリギリな。」
などという企業に集まってくる人といえば、言い方は悪いですが出がらしのような人ばかりになるわけです。
就職氷河期の終焉による有効求人倍率の上昇
次に考えられるのは、就職氷河期の終焉による有効求人倍率の上昇です。
これも、企業によって、意識している企業とそうでない企業にはっきり分かれます。
管理人が少し前に転職活動をしていた際のエピソードですが、エージェント経由で面接に行った会社で、次期社長となる40代なかばぐらいの専務が、あくびを噛み殺しながらずっと時計を見ていたことがありました。
もちろん、私自身の不徳もあるでしょうが、その後同席していた人事部長にこっそり声を掛けられ、
「今まで何人か内定を出したが、全員に断られている。なぜだろうか?」
と訊かれたことがありました。
これは本当に酷いケースではありますが、WantedlyやBiz reachなどで企業から直接ヘッドハンティングを受けて企業に話を聞きに行ってみたら、
「それでは2分程度で自己紹介をお願いします。」
「あなたの強みと弱みは?」
など、「面接をされた」という話はしばしば耳にします。
この辺り、古い体質の企業だと「え? 何がおかしいの?」という感じかもしれませんが、つまるところ、現代において企業は「選ぶ」立場から「選ばれる」立場になっているということなのです。
若い世代の意識の変化による「企業離れ」
そして最後に若い世代の意識の変化による「企業離れ」ですが、これは個人事業主として自営・独立する若い人が増えているということばかりではなく、若い人たちが一つの会社に属し続けるという働き方をやめ始めていることも意味します。
もちろん、IT関係のスキルを持った若手人材は企業に属さず個人事業主として独立する方が増えています。
しかしそれだけではありません。
単に「企業には勤めない」という選択肢だけでなく、あくまで生活費を稼ぐためと割り切って、条件の良い企業を転々とする人たちも増えているのです。
不勉強のせいか、今のところこれに該当する言葉を知らないので管理人は
「仮面正社員」
と呼んでいます。
仮面正社員の特徴としては、
- 今の会社で定年まで勤めるつもりはない
- そのため必要以上に会社にコミットせず、あくまで給与に対する労働力を企業に提供している
- しかしながら無理のない範囲で仕事ができているため、スキル自体は高い
といったところが挙げられます。
もちろん、いずれクリエイターやSE等として独立を目指しながら「とりあえず」企業に属している人たちも仮面正社員に含まれます。
このような人たちは、管理職になろうが、給与が高くなろうが、いずれ会社を辞めます。
「なぜだ!?」と言っても始まりません。
仮面正社員にとって、企業に属することはあくまで生活のため。
それ以上でもそれ以下でもないのです。
もちろん、独立やステップアップを目指している方々であるため、頭は悪くありません。
また、「サービス残業をすることは自分の時間価値を下げること」と考えていることもあり、時間内に仕事を終らせるスキルもあります。
しかし、「この会社での10年後を見据えて、今は不条理でも必死に働く」という行動は取りません。
このような「仮面正社員」は企業に属しているため、つい勘違いしてしまいがちですが、潜在的には企業離れをしていると考えるべきなのです。
また、兼業・副業という働き方が浸透してきている、少なくとも若い世代にとっては当たり前になりつつあるのも一つのポイントです。
BIZ REACHのアンケートによれば、会員のうち83%が兼業・副業をしてみたいと回答したとのことです(2018年10月1日現在)。
BIZ REACHといえば、転職に対して受け身ではない、感度の高い人達が集まっているサイトです。
そこに登録している人たちが「兼業・副業をしてみたい」というのは、単に「収入が低いから少しでも収入を増やしたい」ということではないでしょう。
今や、「一つの企業に定年まで所属し、プライベートな時間も会社のために使う」という働き方は完全に時代遅れになったのです。
そしてもう一つのキーワードが「帰農」です。
現在、全国の大学で農学部の新設が相次いでいます。
少子化にもかかわらず農学部が次々と作られるのは、それだけ若い人たちに農業が人気になっているからです。
農村への移住希望者が増加傾向にあることもさることながら、地域連帯や農業法人への就職など、
「農業を学んだ学生が、農業に携わる仕事に就く」
ことが増えています。
この辺りは東洋経済オンラインの記事をご一読いただけるとさらによく分かります。
このように、現在の若者たちは様々な形で企業離れし始めているわけなのです。
(続く)