指示を与えるだけの上司が部下を潰す

こんばんは。SMEです。

みなさん、部下にはどのように指示を与えていますか?

ひょっとしてその指示の出し方、部下の退職に繋がるかもしれませんよ。

 

 

中小企業でよく見る「指示」の風景

課長 「おい、もう退勤時間だぞ。今日中って頼んでた資料まだか?」

部下 「えっ、何ですっけ?」

課長 「チャットで投げといたろ。この前のABテストの結果」

部下 「そうですっけ? すいません」

課長 「やってないのかよ! じゃあ今まで何してたんだ?」

部下 「いや、部長からLPの差し替え、今日中にやれって言われて」

課長 「何? 聞いてないぞ」

これは営業系を想定していますが、管理人が経験してきた30名から100名超規模の中小企業では、部門を問わずよくある風景です。

もしも

「うちではこんなこと全然ないよ」

というなら、それはかなり恵まれた、指揮系統のしっかりした企業だと思います。

仮にたとえ多少給料が安かろうが、年間休日数が100日なかろうが、ずっとお勤めになることを強くお勧めします。

 

指示の問題は「マネジメント力」の無さにある

上記の例では「指示の仕方」に関する問題がいくつもあります。

管理人がパッと思いつくのは

  1. 上司がチャットで指示を出している
  2. 上司が進捗管理をしていない
  3. 部下が何をしているか上司が把握していない
  4. 上長が知らない指示が上々長から直接出ている

といったところでしょうか。

(ほかにもあると思いますので気づいた方はぜひ教えてください)

実は全て、問題の根は同じです。

それはつまり、「上長のマネジメント力」に関する問題なのです。

 

「指示を与えたら終わっていた」というのはマネジメントではない

中小企業において、中間管理職が「指示の出し方」で部下を潰すケースというのはひとえに

「上司が部下のタスク管理をできていないから」

です。

「与えられた指示を期限までに終わらせるのが部下だ」

という意識でいると、部下が何をやっているのかも分からず、また与えたタスクの量が適正なのかも分かりません

上司の役割というのは、部下のタスク量が適正なのか、また進捗状況が適正なのか判断してあげることです。

それができていないというのはマネジメントでも何でもなく、頭ではなく単に社内の権力関係を使って部署内のタスクを終わらせているだけです。

社内の権力関係を利用してタスクを振るだけならどれだけ無能なマネージャーでもできます。

極端なことを言えば、16時間かけないと終わらないタスクを「今日中に終わらせろ」と言うことだって可能です。

ですがそれは少なくとも「マネジメント」ではありません

 

中小企業では「自分以外の人」も部下に指示をしている

また小さな会社では、社長や役員レベルの上級管理職が一般社員に直接頼みごと・指示をすることもしばしばあります。

直属の上司と部下の間でコミュニケーションが取れていれば、その都度

部下 「課長、社長に今日中にこれやれって言われたんですが…」

課長 「どれどれ。ボリューム多いなぁ…」

と気軽に報告ができますが、そうでない場合には「告げ口」のようになってしまうと感じるのか、部下も報告をせずひたすら頑張って何とか時間内にタスクを終わらせようとします。

しかし通常のタスクのほかに別のタスクが与えられたわけですから、時間通りになど終わるわけがありません。

特に経験が少ない社員は、そもそも「自分が抱えているタスク量が適正なのかどうか」が分かっていない場合が非常にしばしば見受けられます。

上々長などから直接指示が出ていないかヒアリングしてあげ、

部下 「部長に、今日中にこれテストしてくれって言われたんですよ」

課長 「あー、これ急ぎだな。じゃあ、俺が頼んだやつは明日に回そう」

というように部下のタスク量を調整してあげるのがマネジメントでしょう。

 

根性論ではなくタスクの量と時間を把握しよう

何だか当たり前のことを書いているようで情けなくなってきますが、本当に

「何? 部長から指示が出てる? そうなのか。頑張れよ! じゃあお先に!」

という上司が多いのが実情なのです。

「言われたことは期限までにやるのが部下の仕事」などと根性論で指示を出すのではなく、

「部下がどれぐらいのタスクを抱えているのか?」

「そのタスクをやるのにはどれぐらいの時間がかかるのか?」

を把握するのが上司の務めでしょう。

「いや、俺は管理職だから部下がやるべきタスクの適正な時間量なんて把握していないし、するつもりもない」

という方は、すいません。そもそもマネジメントには向いていないのではないかと思います。

 

指示のツールは統一すべし

また、Aについては口頭で指示を出し、Bはチャットで、Cはメールで指示を出す、そのあとでCについてチャットで指示を変更する、という方も見かけます。

管理人が指示を受ける立場から言えば、これは非常に分かりにくいです。

特に他部署から直接依頼が来るようなポジションで仕事をしていると、

  • 営業部からはメールで依頼が来る
  • 上長からはチャットで指示が来る
  • 営業部の別の人から、先ほどと同一案件で電話が来る

となり、すべきことと優先順位を把握するだけでうんざりする、というのはよくあることです。

管理人も複数社でwebディレクターがイライラしながらスケジュールを書き換えているのを何度も何度も見ています。

 (webディレクターの方って本当に大変ですよね…)

 指示のツールは統一し、

  • その場でコミュニケーションが取りやすい口頭でのやりとり
  • 履歴が確認しやすいメール

いずれかに限ることをお勧めします。

 

チャットでの指示は埋没する

チャットは便利なツールですが、情報が埋もれやすいです。

上級管理職や年配の方でも「これは便利だ」とチャットを使っているのを見かけますが、高度な内容をチャットで指示されると、受け手としては情報の整理が大変です。

結果、「投げっぱなし」になってしまうことも少なくありません。

チャットはあくまで進捗確認程度に使う方がいいと管理人は思います。

「進捗確認をしたこと」はエビデンスを残す必要はありません。

それに対して「指示内容」はエビデンスが必要です。

チャットでのやり取りは基本的にエビデンスが不要なことに限った方が良いでしょう。

確かにチャットにもエビデンスは残りますが、指示を受けた側にすれば情報を探し出すのが大変なのです。

もちろん、「チャットツールをどう使うか」というコンセンサスが取れていればこの限りではありません

管理人も、チャットを「物理的に集まるのが難しいメンバーの会議」に利用したこともあります。

ただしこの場合は情報が埋もれてしまわないよう、議事録担当者が決定事項だけをメールで参加者に送信する決まりにしました。

ほかにも「もともと相談していた内容のゴールだけを決定する」のにはチャットのやり取りでも充分かと思います。

「ゼロから指示・話し合いをしてゴールまで持っていく」となると情報がチャットの中に埋もれがちです。

便利に使えば間違いなく生産性をあげるツールではありますので、「チャットをどのように使うか」には気を遣いましょう。

 

部下のタスク管理は「長距離走のコーチ」のようなもの

 以前も書きましたが、管理人は

「マネジメントとは、陸上部の監督のようなものだ」

と思います(これについてはまた詳しく書くことがあると思います)

その中で、部下のタスク管理をするのは「長距離走のコーチ」のようなものです。

「ゴールはあそこだから、ペース配分を考えろよ」

「半分来たけど、ちょっと遅れてないか?」

と確認してあげるのがタスク管理であって、

「ゴールはどこだとか訊かずに、走れと言われたら走るんだ!」

「夜になろうが、死にそうだろうが、とにかくゴールにたどり着くまで走れ!」

などと言うのは、マネジメントでもタスク管理でも何でもありません。

管理人も数社を経験し、

「時間や分量を把握しないままタスクの完了だけを求める」

管理職を何人も見てきました。

そういった人の下で、優秀な人材が育つはずはありません。

進捗管理」とは終わったかどうかを確認することではありません。

ペース配分を確認することです。

これができていない管理職が多すぎるように感じます。

 

 では今日はこの辺で。

明日はエニアグラムでお互いを知ろう」を予定しています。