求人広告、その媒体で本当にいいんですか?

こんばんは。SMEです。

ドキッとするタイトルですが、今日は「応募者向け」ではなく、企業の採用担当者向け記事です。

 

 

 求人応募がなくて苦労していませんか?

 売り手市場になった今の時代、人を採用するのは大変です。

そこで今日は、求人媒体を上手に使って採用率を上げる話を書きたいなと思うわけです。

正社員のみならずアルバイト採用でも根っこは同じですので、

「求人に応募が少なくて苦労している」

「求めている人材が応募してこない」

とお悩みの採用担当者の方はぜひご参考になさっていただければと思います。

 

なお、今回ご紹介するのは

「人事制度をまるっと変えなさい」

ということではなく、

求人媒体を選定するテクニック

ですので、ぜひ安心してご一読ください。

実は「求人に応募がない」あるいは「希望するのと違う人材しか応募してこない」というのは、たった一つの理由によるものなのです。

 

 

ターゲットは誰なのか

ずばり言えば、費用に対して採用の効果が上がらないのは、

ターゲットに合わせた媒体を選定できていない

という一点に集約されるわけです。

 

「そんなことはない。ちゃんと何社か見積もりを出しておる!」

と思われるかもしれません。

しかし、それでは広告を出す際、代理店担当者に対して、

「お宅の媒体のメインユーザーは何歳から何歳なのか?」

「若手とミドルの比率はどれぐらいなのか?」

といった質問をしているでしょうか?

どういう人が見るか分からないところにとりあえず広告を出しても、効果はゼロです。

費用対効果を考慮せず、ただ

「安いから」

「営業担当に、業界最大手だと言われたから」

といった理由で募集媒体を選んでいる企業担当者が実に多いと感じます。

それは海釣りの準備をして渓流に行くようなものです。

 

 

ダメな求人媒体の選定例

岡山での話。

管理人が転職活動中のこと。

インターネットで、地元で数十年続く中小企業が総務責任者(部課長候補)と営業責任者(部課長候補)を同時に募集しているのを見つけました。

ところがその求人は、「未経験者向け」「若年齢層向け」をメインとした媒体に掲載されていたのです。

興味を持った管理人はその企業を受けてみることにしました。

(余談ですが、採用担当者はひやかしでも他社の面接をバンバン受けてみることをお勧めします。面接にはその企業の全てがあります)

この一社のためサイトに登録するのははなはだ面倒だったのですが、これも経験です。

 

書類は無事に通り、数日後の面接も和やかに進みました。

「何か質問はありますか?」

と訊かれた管理人は、次期社長だという40代なかばぐらいの専務に

「希望するような人材は応募してきているか?」

と質問しました。

専務は一瞬眉を曇らせ、実は応募自体がほとんどないと答えてくれました。

管理人は、

  • 掲載している媒体は若手・未経験者向けのサイトであること
  • 管理職候補を採用したいのであれば、エージェントなどを利用したほうが確実であること

を伝えました。

しかし専務は首を横に振って言いました。

「一度営業に来てもらったが、うちには高すぎる」

 

 

いくら安くても、効果がなければ無意味

確かに同じ効果を上げられるのであれば安いほうがいいと管理人も思います。

しかし効果がないならば、お金をドブに捨てているようなものです。

 

管理人がEC小売業で働いており、アルバイトを募集していた時の話。

以前の担当者が選定した媒体では応募があまりに少なかったため、営業担当者を呼んで

「ユーザーの年齢層や性別などの構成を教えてほしい」

とお願いしたことがあります。

 そうしたところ、「30代から40代の主婦がほとんど」とのことでした。

その時にターゲットとして想定していたのは20代で実家ぐらしのフリーターです。

それなのに主婦向けの媒体に広告を出していては応募などないわけです。

「9時から18時まで週5で働ける方」というのは、その媒体のメインターゲットにはいなかったわけです。

早速募集媒体を変えたところ、それまでは良くても月に2人ぐらいしか応募がなかったのが、初月に12人の応募があり、すぐに人員を補充することができました。

媒体が異なるためコストは上がりました。

しかし、例えば資材を購入するときに

「役には立たないけれど安い!」

といって購入するでしょうか?

新規出店する際に、

「この辺はクマとタヌキと老人しか住んでないけど、土地がバカみたいに安い!」

と喜んでアパレルショップを出すでしょうか?

お金を出すのであれば、それをペイしなければいけないわけです。

採用についてもそれは同じです。

 

 

 採用担当者がまずすべきこととは?

営業担当者は契約を取りたいため、

「ウチはミドル向けのサイトじゃないんで、出稿してもらっても意味ないですよ!」

とは教えてくれません。

営業担当者には値段より先にユーザ構成を確認しなければなりません。

極端な話をすれば、

は、同じ「求人」とはいえ全くの別物です。

 

若い人がハローワークと未経験者向けのサイトを併用することはあるでしょうし、ミドル向けのサイトを使いながらエージェントを併用する30代もいます。

しかし

「未経験者向けの新聞折り込み広告も見ながら、エージェントで管理職の求人を探している」

ような人はまずいません。

「いやぁ、インターネットで表示されるんだし、どのサイトに掲載するかなんて関係ないんじゃないの?」

と思われる向きは、ぜひ一度、試しにどこかのサイトに登録してみることをお勧めします。

ウンザリするぐらい、職歴や自己PRを入力しなければならないのです。

サイトによっては「登録したらすぐに職務経歴書と履歴書をアップロードしてください」というところもあります。

例えば能力の高くて多忙な、引く手数多のミドルがこの労力を使って、未経験者向けのサイトに「も」登録するでしょうか?

その答が、管理人が受けた某企業の応募者数にあると思います。

 

求人に苦労している採用担当者の方は、ぜひ一度

  • 求人広告を出している媒体のユーザー層

  • 採用したいターゲット層

合致しているか確認してみることをお勧めします。

 

 

では今日はこの辺で。

明日のテーマは「おじさん、スキンケアしてますか?」を予定しています。