中間管理職の役割とは何でしょうか?
色々ありますが、一つには
「上位マネジメントが語る定性的な概念を定量化すること」
が挙げられます。
上位マネジメントは定性的な概念を決める
もちろん、経営陣がすることの一つは経営に関する具体的な数字を決定することです。
しかしそれだけではなく、理念やビジョンを決めるのが上位マネジメントです。
あえて言うならば、「今よりも働きやすい環境を作ろう」でもいいのです。
会社が目指すべき「方向」を決めることが上位マネジメントの役割である。
これはつまりは、定性的な概念を決めることだと言えます。
もちろん具体的に経常利益の額などを定めることも一つの役割です。
しかし、「そのためには今日、何をすべきか?」まで上位マネジメントが定める必要はない。
上位マネジメントが決めるべきことというのは
「一年かけて、コップにここまで水を入れましょう」
「コップが古くて小さくなってきたので、そろそろ新しいコップに替えましょう」
といったことである。
これに対して中間管理職である下位マネジメントがすることというのは
「では上位マネジメントが決めたことを具現化するためにはどうすれば良いのか?」
とを考えることであるわけです。
良い中間管理職・ダメな中間管理職
ですから中間管理職がすべきことというのは、上位マネジメントが決めた定性的な概念を定量化することであるわけです。
乱暴な言い方をすれば、概念を定量化できるのがよい中間管理職、定量化できないのがダメな中間管理職だと言えるでしょう。
ダメな管理職の典型的なパターンとしてはふた通りがあります。
- 定性的な概念しか部下に伝えられない
- 数値に現実性がない
このいずれかが多いのです。
「定性的な概念しか伝えられない」というのは、つまりは「上位マネジメントと同じことしか言えない」ということです。
コップの例で言えば、上位マネジメントが
「一年かけてコップをいっぱいにしよう」
と言った時に、部下に対して
「とにかく一年かけてコップをいっぱいにしろ!」
としか言えないのが「上位マネジメントと同じことしか言えない」中間管理職です。
「自部署の目標数値を部下に落とし込むだけ」というのもこれに含まれます。
また「数値に現実性がない」中間管理職もよく見かけます。
これは単に「実現性が低い目標を押し付けてくる」ということにとどまりません。
どう見ても500ミリリットルしか入らないコップに1リットルの水を入れさせようとする中間管理職にはしばしば出会います。
毎度毎度、退社時刻直前に1時間かかる仕事を振る。
タスクをぽんぽんパスするだけで時間の管理ができていない。
しかし一合のマスに二合は入りません。
現実性がない数字というのは単なる数字であり、定量化できているということではありません。
人口が1万人の町で、契約者数を2万人にしろと言ってもそれは具体的な数字ではないわけです。
中間管理職の仕事は、定性的な概念を定量化し、実現可能か判断した上で実現させていくことです。
それができるかどうかが中間管理職としての評価の分かれ目でしょう。
それでは今日はこの辺で。
明日は「時間の使い方は人それぞれ」を予定しています。