こんばんは。SMEです。
四日目となりました「『緩やかなコミュニティ作り』が中小企業を救う」。
昨日はユニクロ、今日はスタバから「若者が求める距離感」を考えます。
飲食店の「距離感」
小売と異なり、飲食店で大切になってくるのは「店員」だけではなく「周りにいる他人」との距離感です。
もちろん店員との距離感も大切です。
一息つきたい時に店員が
「美味しいですか?」
「新商品試しませんか?」
とずっと話しかけてきたら、落ち着いてコーヒーも飲めません(ちょっと興味ありますが)。
しかし
- 服飾小売店では「レジの時間」より「服を選ぶ時間」の方が時間が長い
のと同様、
- 飲食店では(よほどのことがない限り)「レジの時間」よりも「提供されたものを摂取する時間」の方が長くなる
わけです。
そうである以上、飲食店で注視すべき距離感は、店員との距離感以上に
「席についた時の、他者との距離感」
なわけです。
スタバを始めとした飲食店の距離感
お気付きの通り、スターバックスやマクドナルド、あるいはファミリーレストランで、「知らない他人と至近距離で隣り合って(あるいは向かい合って)座る」ということはあまりありません。
あったとしても、パーソナルスペースが確保できるような配慮がなされています。
例えばマクドナルドにはカウンターテーブルで一人客が相席になるような座席もありますが、管理人が知る限りでは向かいの人と目が合わないよう、正面には間仕切りがあることが多いようです。
スターバックスでは同じように相席にある座席もありますが、概ね壁に面していたり、空間を広めにとって他人同士が密着しないようになっている印象を受けます。
(いずれも管理人が知る限りですので、違っているお店があったらすいません)
少なくとも「カウンター席で隣り合っての相席しかできません」という店舗はない、はずです。
ファミレスも同じです。
高校生がファミレスで勉強していたり、あるいは学校帰りに話し込んでいたりしますが、これも座席が仕切られており、自分(たち)だけになれるからだと思われます。
座席が全て相席で、隣で知らないおじさんが美味そうにカキフライでも食べていたら、高校生も友達とファミレスに行って話そうという気にはなれないに違いありません。
牛丼屋の距離感
みなさんはもう一つお気付きかと思いますが、おしゃれで流行に敏感な若者が敬遠しがちな牛丼屋は「カウンターで隣り合っての相席」が基本になっています。
実際にはテーブル席がある店舗もあるのですが、業界としてのイメージがそうなのです。
これはコストと時間、オペレーションを考えると致し方ないところだと思います。
あるいは立ち食い蕎麦屋もそうです。
逆に、若い世代を取り込むことができたチェーンのセルフうどん屋はテーブル席のお店が多いですし、狭い店舗ではカウンタータイプの席ばかりであったとしても、向かいに間仕切りを設けていたりします。
つまり、「向かいにも両隣にも知らない人がいる」という状況がないようにしているわけです。
ということは、牛丼屋が若くておしゃれな人々を取り込むには、提供するもののイメージではなく座席の配置を変える方がいい、ということになるかもしれません。
配置一つで客層は変わる
ここで管理人の体験に戻りますが、飲食店の立ち上げ時にターゲットとなる若い人ではなく年配の方しか来店されなかった理由は
「座席が真ん中に集まっていること」
だと管理人は思いました。
テーブルが三つほどあったのですが、それがフロアの真ん中に集まっており、必ず知らない誰かと相席になる状況だったわけです。
これでは若い人は入りにくいのではないか、と管理人は考えたわけです。
管理人は店舗の責任者に
- 席を三つに分けること
- 間を観葉植物などで簡単に仕切ること
- 隣の席とは背中合わせにして、視界に入りにくくすること
を提案しました。
すると次の日から若いお客様が増え始めたのです。
(続く)