こんばんは。SMEです。
もしあなたが部下の給与に対する一定の権限があるならば、ぜひ覚えておいていただきたことがあります。
給与を下げると人はどうなるか
管理人が関わっていたある職場でのこと。
初めてアルバイトスタッフを募集することになり、「優秀な人にたくさん来てもらいたい」ということで相場よりもいくらか高い給与で募集をかけました。
その結果、人数も質も非常に満足する採用結果を得ることができたのです。
また新しいスタッフを紹介してくれたり、友人・知人にサービスを紹介してくれたりとロイヤリティも非常に高い状況でした。
しかしながら、相場より給与が高い以上人件費は想定以上にかかります。
経営職は
「こんなにたくさん優秀な人が揃っているのだから、人件費を多少削ってもよいのではないか?」
「みんなやる気があるし仲もいいから辞めないだろう」
「多少辞めても充分人はいるし、前回もたくさん応募があったから問題ないだろう」
と思い、翌月から時給を下げたい、という話をすることにしました。
当然といえば当然ですが、経営者の話を聞いたアルバイトスタッフのほとんどが退職を選択しました。
結果として採用コストが発生し、時給が下がっているため人も集まらず、何とか入社に至っても研修をしては人が辞めていく、という悪循環に陥ってしまいました。
ペナルティで奮起することはない
これは非正規雇用従業員の話ですが、本質としては正社員でも変わりはありません。
確かに人件費は出費の多くを占めるところではあります。
しかしながら、人が働くのはまず第一に生活のためです。
「生活を犠牲にしてもこの仕事がしたい」
などと思うのは、自分が経営を行なっている場合だけでしょう。
「給料を下げる」というのは、結局「生活レベルを変えろ」ということに他なりません。
確かに「全従業員の給与を下げないと経営自体が成り立たない」という場合はありますが、それも最後の手段であると管理人は考えます。
ましてや「ペナルティとして給与を下げる」という選択をした場合、その社員が奮起することはまずないと考えてよいでしょう。
部下の給料が下がらないようにしよう
「人事評価制度と連動しているため、給料は下がり得る」というのはどの会社でも当たり前のことです。
それ自体が悪ではありませんし、実際に手を抜く人もいないわけではありません。
そのため「何が何でも給料を下げるな」というわけではありません。
気をつけて欲しいのは、「部下の給料が下がらないように動けているか?」ということです。
それはつまり、日頃から部下の成果に注意できているか? ということです。
忙しさにかまけて、あるいは単に部下を注意して煙たがられるのが嫌で、日頃のフィードバックを怠っていないでしょうか。
管理人が在籍してきた中小企業では「中間管理職が、人事評価の締め日間近になって初めて部下の成果を意識する」ということが常態化しているところが多数ありました。
それでは結果的に給与が下がる可能性が高くなってしまいます。
そうならないように、日頃から部下の成果を確認し、フィードバックし、給与が下がらないようにし、ロイヤリティを高めるのが管理職の責務でしょう。
それが、半年の間放置され、結果が悪かったから給与は下げる、ではロイヤリティなど上がるわけはありません。
ロイヤリティが上がればパフォーマンスは上がります。
お金は全てではありませんが、働く上で重要な要素であることは確かです。
「部下の給与を上げるにはどうしたらいいか?」を考えるマネージャーでありたいものです。
それでは今日はこの辺で。
明日は「アウトプットの大切さ」を予定しています。